輪島のぱんバカ日誌

かりっかりメロンパン

世の中は、4月だと言うのに輪島は雪ざんす。朝は車のガラスが凍ってて、せっかくいつもより早く出たのに通常通りの出勤になり、昨晩からヒーターの灯油が切れて、毛布にくるまって寒さを凌ぎました。一本松公園には花見の準備で提灯が飾られて、夜には点灯してました。吹雪に耐えながら。(笑)って、笑えませんホンマに。ということで、(関係無いですが)今回は、ベイビーブレッドで食パンに次ぐ人気アイテムの『メロンパン』のお話をします。
もう、10年近く前になりますかね、僕が大阪の会社にアルバイトとしてお手伝いに行っていた頃の事です。当時は東大阪市の八戸ノ里という所にお店がありまして、天王寺からJR鶴橋まで行き、近鉄に乗り換えて八戸ノ里まで毎日通っていました。この鶴橋という駅の周辺がコリアンタウンでホームは焼肉の臭いで充満しているんです。臭いで白飯が食べれる勢いでしたよ。まあ、そんな話は、どうでも良いんですが。(笑)そのお店で働いているときに、社長が『来年、メロンパン専門店をやるから、頑張るでぇ。』と言っていたのを思い出します。当時はバイトだったので、そこまで感心が湧かなかったですが、学校を卒業と同時に、僕と、同級生の女の子がそのお店に就職して1週間位してから社長が『今年の夏に、メロンパン屋をオープンするから、お前ら二人にやらしたるから、頑張りや。』と衝撃の一言。頭の中が真っ白になりましたね。まあでも、若さ故に勢いで何とかなるやろ的なノリで行きましたが、予想通り粉砕しました。(笑)そこで会社を挙げて、メロンパン専門店にむけてプロジェクトX(当時は流行ってました)が動き出しました。合い言葉は『日本一メロンパンの事を考えよう!』でした。一つのメロンパンを創るのに、もの凄い数の人が動きました。そして、いろんなメロンパンを食べまくりました。試作した回数は数え切れない程でした。社長が一切の妥協を許さない方でしたので、中途半端な事をすると、・・・・。恐ろしくて書けない(笑)程の叱咤激励を頂けるんですよね。今やから笑えますけど、当時は笑えなかったですよ。リアルVシネマでした。(笑)そんな中、最終的に行き着いたのが、『カリッカリのクッキーの食感とフワァと溶けるパン。香料・添加物は一切使わない、自然な味。』をキーワードにしたメロンパンです。パン生地については、超長時間低温発酵させて小麦粉の甘味を最大限に引き出す製法に決定したんですが、一番手こずったのが、メロンパンの生命線である表面のクッキー生地でした。色んなメロンパンを食べましたが、サクサクとした食感は沢山あったんですが、『カリッカリ』は一つもありませんでした。あまりにモノ難題で、スタッフが『サクサク』でもいいんちゃうん?と言ったのですが、みんなの脳裏をよぎったのが、社長の一言。『カリッカリ』しか、あかんで。の言葉。これをサクサクで止めると、どんな結果が待っているかと思うと背筋が凍り付きます。(笑) 『店長!何が何でもカリッカリにしましょう!僕たちはまだ死にたくありません!』的なノリで努力しました。(笑)
それでも、なかなか思い通りにはいきませんでした。そんな中、僕らがいつもお世話になっていた方に相談したんです。みんなからは、『おやっさん』と呼ばれている方で、大阪守口市でフレンチのお店をされている方なんですが、お店の外見は小汚い居酒屋でした。中に入ると、カウンターとテーブルが二つの、こぢんまりとしたお店でしたが、出される料理は想像を絶するモノばかりです。おやっさんは、九州出身でコックになるために大阪に出てきて、中之島リーガロイヤルのフレンチで働き、自力で2代目料理長まで昇り詰めた方でした。見た目も、料理も、話も中途半端じゃなかったですね。顔はニコニコしているんですが、目が笑ってないんです。よくお店のカウンターにテレビに出ている有名なシェフの方々が、食事されながら『おやっさん』に良く怒られてました。色んな意味で迫力がありました。(笑)それで田舎者の僕を、本当に良く可愛がってくれました。そんな『おやっさん』に今回の、メロンパンについて相談すると、『ホンマに、パン屋はアホやな、これをチョチョッと加えてみいや、一発やで。』と一瞬で解決しました。恐らく、パティシエやパン屋では絶対思い付かないレシピだと思います。料理人の発想です。内容は、企業秘密ですよ(笑)。早速、お店に帰って試作すると、『カリッカリ』なクッキー生地になったんです!スタッフ一同、唖然としました。『今までの、努力は一体・・・・。』で翌日、社長に試食して頂き、『これ美味いな!でも、これお前ら考えたんちゃうやろ。』とあっさり見透かされましたが、これで勝負する事を決定していざオープンへと事が進みました。この頃は移動販売のメロンパンが流行出す少し前でしたね。(その後に、移動販売の○○ュール○戸にノウハウを奪われたんですが。(笑)
このメロンパンを、今までに無い形で販売しようという事になり、販売スタイルも当時、超画期的なスタイルにしました。畳4畳のスペースでオーブンと成形台と販売棚を設置しての販売方法でした。しかも商品はメロンパンのみ!1本勝負!(後に20種類ほどのバリエーションになりましたが)超強気でしょ。しかも店名が『かりっかりメロンパン屋』略して『かりメロ』!!うっひょー!ひねり無し!(笑)ということで、一号店が兵庫県伊丹市にオープンしました。これがまたオープン当初から大爆発でした。店の前には永遠と続く行列、一人で20個以上買われるお客様も何人もおられたので、お一人様10個限定。にしても、あっという間に完売してしまう程でした。多いときで1日2300個のメロンパンが売れてたんですから今から考えれば、訳が分からないですよね。当時、このメロンパンを作るスタッフは僕を含めて3人でした。(笑)一人ノルマ700個です。さすがに手が腱鞘炎になりました。当時のあだ名が『メロンパン成形マシーン3号』でした。1号2号は年上の兄貴達でした。
伊丹の店で一気に火が付き、テレビ・雑誌・百貨店にとオファーが相次いで、一世を風靡してました。でも表にでるのは、見た目の良い女性スタッフで、僕たちマシーン1・2・3号は縁の下の力持ちでした。(笑)今となっては、非常に良い想い出ですね。あの頃の経験が今、非常に実になっています!そんな思いの詰まったメロンパンなんです。今も、その頃のレシピをそのままに作っています。これも売れる売れない関係なく、一生作り続けたいパンですね。今回初めて、メロンパンに付いて書きました。実はこの話、嫁どころか、家族にも話していないんです。忙しい日常に振り回されて、この事すら忘れかけていたんですね。それが、昨晩不思議とこの頃の夢をみたんです。だからこれを機に語っちゃおうと思ったんです。味の好みは人それぞれですから、一概には言えませんが、個人的にもベイビーブレッドのメロンパンは好きです。是非一度、メロンパンを食べて見て下さいね!久しぶりに超大作を書くと頭が、オーバーヒートしましたので、この辺で強制終了しますね!(笑)
最後に、メロンパンの画像でお別れです!バイバイキーン!
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成形後のメロンパンです。この時点で18時間発酵させています。
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焼き上がりです。焼き上がりまでで、延べ36時間かかっています。(通常は5時間程です。)

大変、長文を途中で読むのが、めんどくせぇと思いながらも(笑)お付き合いを下さいまして、誠にありがとう御座いました。今回の長文で体調が悪くなったので、今後は短編にします。(笑)
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by babybread | 2010-03-27 19:14 | ベイビーブレッド

石川県輪島市の小さなパン屋が日々感じる事をお届けします。
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