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輪島のぱんバカ日誌

小さい町から見える水平線。

久しぶりの更新は、更に久しぶりのレストランネタです。
この日は、寒いながらも雪や雨が降らないというこの時期には貴重な日でした。仕事もいつもより早く片付き、お腹が空いたのでガッツリ食べるぞ!っと戦闘態勢に入った妄想パン屋が向かった先は、輪島 河井町「オリゾンテ」
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久しぶりに飲んじゃおうかしらって企んでいたパン屋は、徒歩で向かう訳です。近くの重蔵神社の参道をウキウキしながら歩く、少しキモイパン屋(笑)
あ、お店の外見撮るの忘れてました。という事で妄想してください(笑)
寒くて、冷え切った身体をオリゾンテの温かい空気が、優しく包み込んでくれます。あぁ、癒されます。
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この日は、シェフにお任せで小生意気にもイタリアの白でスタートです。
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前菜盛り合わせ 毎回思いますが、料理人って仕事が本当に丁寧ですよね。食材一つにしてもありとあらゆる方法で味を加えていくんですよね、そして盛り付けでしっかり完成させちゃうんです。一皿一皿にテーマがあって、物語があるような気がします。パン屋はガンジス河みたいな壮大な盛り付けは得意ですが、こんな繊細なものは苦手です。(笑)勉強しよ。
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牡蠣のグラタン このビジュアルたまらんでしょ!焼色とか、ゾックゾクします。とってもサラーっとしたグラタンですが、牡蠣のパンチ力がハンパなかったです。「俺!牡蠣食べてます!」みたいな感じです。もちろん白がススム君な訳です。
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自ずと赤にシフトチェンジする訳です。こちらもシェフ任せのイタリアワインです。残念ながらパン屋はワインの知識が全くありませんの。赤か白か泡なのかぐらいしか分からないので、そういう時は、素直に従うのみです(笑)どちらも美味しかったですよ!
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酒の力を借りて、お店のオブジェを撮ると見せかけて、パスタを振るシェフをパパラッチ(笑)
僕の勝手なイメージですが、料理人がフライパンを振っている時って、その日一番の見せ場だと思います。時にはフランベしてみたり、時にはチーズを振りかけてみたりと、もうカウンターがスペシャルリングサイドか、アリーナ席に変わりますよね。思わず「よっ!男前!!」と叫びそうになります。パン屋にもこんなポイント欲しいなぁ、メッチャ地味なんばっかりやん。とスネ夫君になっちゃう訳です(笑)
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そんな男前がフライパンを振った「スモークサーモンと海苔のクリームパスタ」
ふわっと立ち込めるスモークの香りと、口に入れた瞬間に後ろから新快速並みのスピードで追いかけてくる磯の薫り。瞳を閉じれば海が広がります。「波のぉ谷間にぃ、命のぃはぁなぁがぁぁぁぁ!」と鳥羽一郎が煽ってきそうですが、ここはオリゾンテ、そこはちゃんと「ヴォーノ!」です。この瞬間、外から見たらパン屋がトッティーに見えてたと思いますよ。そんな貴方は今すぐ眼科へ!(笑)
でも冗談抜きで、しみじみ旨いなぁって感じる料理です。ついさっきクリーム系を食べた事なんて全く気にならないですもん。本能のまま食らう我が人生!パン屋心の俳句。
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パンナコッタ しっかりドルチェも頂くわけです。スパイスを効かせて、垢抜けして洗礼された感じでした。センスですよね何でも。頑張ろう。シェフのドルチェを頂くと、努力してるなぁ。としみじみ感じるのは何故でしょう(笑)
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エスプレッソ ダブルで〆
あぁ、美味しかったぁ!という満足感と、これで終わっちゃうんやぁという寂しさが入り混じりながら余韻に浸れるという事が幸せですね。
どの料理も、本当に繊細に仕込みをされているのが、非常に伝わってくる料理でしたし、一つの食材がもつ力を100%引き出してあげて、さらにもう一つ加えてあげて食材と料理の点と点をしっかりと線で結んであげるという事がどんなに大切なのか思い知らされた時間でした。「良い食材+良い食材=良い料理」では決して無いという事を感じました。「今」与えられた環境の中でブーブー言い訳をしないで、「今」出せる最高のパフォーマンスをして、相手に感動を与える事が出来るプレーヤーってすごいですよね。スター選手ばかり集めれば勝利と言う結果に結びつけれるっていう事じゃないんですよね、ようはバランスなんでしょうね。そしてそれをちゃんとコーディネートできる指揮官がいて、その指揮官の指示通りに動いて結果を出し続ける選手がいて初めて、良い結果が出るんでしょうね。でも結果ばかり気にしすぎて、結果を恐れてスタートしなければ何も始まらない訳で、スタートするまでに沢山の葛藤や想いがあってようやくスタートした人って言うのは、オーラが出てます。雇われているときでは出せる事が出来ないオーラが。これからオリゾンテも沢山の出逢いをしながら良いお店になっていくと思うと、ワクワクして嬉しい気持ちと、俺もしっかりやらねば!という気持ちが湧いてきます!荒れた日もあれば、穏やかな波の日もある水平線でしょうが、その線は途切れる事無く世界に続いているように、小さい町の大きな水平線になって欲しいと切実に想います!



by babybread | 2012-01-21 17:53 | orizzonte

石川県輪島市の小さなパン屋が日々感じる事をお届けします。
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